こんにちは。Karuta Clubのゆか先生です。
今回は、字が読める初心者に特に覚えやすい4枚の決まり字を新しく教えます。
短時間・短期間で簡単に競技かるたを教える場合に、最初に覚える札としてオススメですので、「大人数向け指導」「海外の方向け指導」のコツと合わせてご紹介したいと思います。
決まり字を覚えるために本シリーズを読んでいるみなさんは、息抜きとして読んでもらえると嬉しいです。
もちろん、お急ぎの方は決まり字の覚え方の部分だけ読めばOKです。
▶︎決まり字の覚え方だけ知りたい方はこちらからジャンプできます!
競技かるたを教える下記のような方が、
- おすすめ かるた会・かるた教室などで教える方
- おすすめ 学校の行事・イベントなどで競技かるたを教える方
- 部活動やサークルで教える立場にある先輩・顧問の先生
この記事を読むと以下のことがわかります
- 【大人数向け】競技かるたの教え方
- 「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」の決まり字の覚え方
- 【海外の方向け】競技かるたの教え方
※本記事は過去記事「先入観をなくす」「遊び方を教える」を踏まえたうえで進めます。まだ読んでいない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
【大人数向け】競技かるたの教え方
一般的に、冬はかるたシーズン呼ばれています。
学校行事・イベント・かるた教室にもたくさんの体験者が来て、「どうやって教えようか」と悩んだ経験はありませんか?
少人数の場合は、過去記事※のように細かく教えることができます。
しかし、大人数だと同じやり方では難しいです。
大型モニターがある時はKaruta Clubの記事を活用して教えられるね!
そういった設備がない時は、どうやって教えればいいいのかな…
かるた教室の講師であるわたしは、以下の5STEPで大勢の方相手に教えています。
以下で、各ステップについて順番にご説明しますね。
STEP1.事前準備
「広い部屋で多くの初心者さんを相手に教える時に、全体に見えるようにするには?」
…と考えた時に、
「札を大きくしたら遠くの人でも見えるかな」
…と思い立ちました。
そして、「大型かるた」を作りました。
下記の動画で使われている、大きな札のことです。
事前準備として、以下の3つの作業をします。
①大型かるたを作る
画用紙
その際、必ず「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」は作ってもらっています。
理由は、教えやすいからです。
初心者さんに、好きな札を作ってもらうのもよいでしょう。
今回は説明の都合上、「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」を教える体で進めます。
②ルール説明用の紙を作る
画用紙
ルールなどを説明するための紙を作ります。
下記のようなイメージです。
わたしは、片手で持って使えるように制作しています。
③取り札の準備
競技用の取り札(人数の半分組)
競技用の取り札「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」を人数の半分組だけ用意し、輪ゴムで止めておきます。
また、輪ゴムで止めた「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」を含めて50枚になるようにした競技用の取り札を人数の半分組だけ用意します。
これで事前準備は完了です!
STEP2.「決まり字」を教える
STEP1で作った大型かるたを使って決まり字を教えます。
最初に教えやすいおすすめの札は「かさ」です。
①「かさ」
競技かるたは、
かささぎのわたせるはしにおくしもの
という上の句を聞いて、下の句である
しろきをみればよぞふけにける
が書かれた「 取り札 」を早く取る遊びです。
この和歌は、天の川に「かささぎ」が橋をかけた七夕の歌なのですが…「かささぎ」まで聞いて取っていては遅いんです!
この札の決まり字は「かさ」です。
「かさ」まで聞いて払うと、早く取ることができます。
では、札を見てみましょう。
始めに「しろ」と書いてありますね。
「かささぎ しろい」で覚えましょう。
「しろい かさ」でもよいです。
この札の決まり字を尋ねたら「かさ」と答えてくださいね。
この札は何ですか?
「かさ」!
札が敵陣にある時は逆さまに見えます。
この札は何ですか?
「かさ」!
そうです!
覚えましたね。
👉動画で覚えたい方はYouTube
では、次の札を覚えましょう。
②「あし」
あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
この札の決まり字は「あし」です。
山鳥の尾が「長々」なのですが…
「足 長々」
「あし ながなが」で覚えましょう。
「かさ」と同じように決まり字を言う練習をしたら、「かさ」「あし」2枚で決まり字を言う練習をします。
👉動画で覚えたい方はYouTube
③「ゆら」
ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
この札は「ゆら」です。
札を見てください。
なんと!「ゆら」と書いてあるんです!
「ゆら らゆ」思いっきり払い飛ばしてください!
「かさ」「あし」「ゆら」の大型かるたをフラッシュして決まり字を言う練習をしてから、次の札を覚えます。
👉動画で覚えたい方はYouTube
④「ありあ」
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
この札は「ありあ」。
斜めに「ありあ」と読むことができます。
「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」の大型かるたでフラッシュして決まり字を言います。
逆さまバージョンも忘れずに。
👉動画で覚えたい方はYouTube
STEP3.札を払い飛ばして取る
事前準備で用意した4枚の札を使って対戦をしましょう。
わたしは下記のように声をかけて進めています。
2枚ずつ分けて左右に分けて置いてください
置きました!
右にある札は右に、左にある札は左に払い飛ばしてくださいね※
※払い飛ばしたときに、自分たちの札がどれかわからなくなるので、札の後ろに書かれた文字を覚えておいてもらうとよいです。
はーい!
では、決まり字の確認をします!
わたしが決まり字を言うので、その決まり字の札を指さしてください
「かさ」?
👉
「あし」?
👈
…という感じで「ゆら」「ありあ」も行います。
その後、実際の対戦に移ります。
今回は、はじめのあいさつや構えなどの簡単なルールを省略して説明しましたが、実際にはきちんと教えます。
対戦が終わったら、ひとり横にずれて何度か繰り返しましょう。
早く払い飛ばす気持ちよさを実感してもらえますよ♪
STEP4.覚える札を増やす
数回ほど対戦すると「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」の4枚は完璧になるはず。
そしたら、新しい札を2枚ずつ増やしていきます。
増やすのであれば、おすすめは以下の札です。
「ちは」や「せ」などをみなさんが知っているようなら、加えてもよいですね。
覚えた札が増えたら、先ほどと同じように大型かるたでフラッシュして決まり字を言います。
その後、対戦をします。
これを繰り返しましょう。
STEP5.「競技かるた」をする
「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」などの覚えた札を入れた50枚を使って対戦をします。
気をつけるポイントは以下の3つです。
①下の句はつぶやくように読む
下の句を聞いてから取る人も多いです。
下の句は呟くように(次の読みに入ったと思われないように)読みましょう。
②わからない時は先生を呼ぶ
ルールで分からないことがあった時は呼んでもらいましょう。
事前準備で用意したルール説明用の紙でみなさんと共有します。
③カンニングペーパーを用意する
覚えた札がすべて読まれてしまった初心者さんは、狙う札がなくなってしまいつまらないですよね。
そうならないように、カンニングペーパーとして新しい大型札を用意して見せてあげます。
大型札を見せながら決まり字を教えてあげましょう。
練習時間は限られていますので、みなさんの様子を見つつ、STEP5に進みましょう。
STEP5を省略しても構いません。
【海外の方向け】競技かるたの教え方
海外の方が日本文化を体験するために「百人一首」を紹介する機会もあると思います。
わたしも何度か経験しました。
その時に実践した2つの方法をご紹介します。
- 模範試合のあと、2枚の札を使って札を払い飛ばす体験をする
ポイント子どもたちが模範試合をすると盛り上がります - 札にローマ字の決まり字を書いた付箋を貼り、散らし取りをする
ポイント決まり字かるた(ローマ字版)を使ってもよいです
無料ダウンロード
ローマ字版も!
【おまけ】大型かるたの活用法
ここまでで教えた方法以外にも、大型かるたは活用できます。
わたしが実践している、その他の大型かるた活用法をご紹介します。
大型かるたの散らし取りも、走って取りに行って楽しかったです!
いつもの練習も大型かるたにするだけでやる気もアップするんですよ♪
まとめ
今回は以下の3つがテーマでした。
- 【大人数向け】競技かるたの教え方
- 「かさ」「あし」「ゆら」「ありあ」の覚え方
- 【海外の方向け】競技かるたの教え方
この記事を読んでいるみなさんは、もっと上手に教えられていると思いますが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
次回(27日目)は、新しく3枚の札の決まり字の覚え方をご紹介します。お楽しみに!