【新着記事】2022/5/16 ゆか先生のかるた教室▶︎

【競技かるた】攻めがるたがスタンダードとされる3つの理由

どうも!Karuta Club部長の川瀬です。

競技かるたの取り方のスタイルに正解はないとされますが、その中でも最も広く普及していると言えるスタイルが「攻めがるた」です。

今回は、なぜ「攻めがるた」がスタンダードとされるのか、私なりの解釈を解説したいと思います。

競技かるたで勝つための5つの力のうち「④勝ち方を考える力」を高める参考になれば幸いです。

この記事の概要

勝ち方を考える力を高めたい」と思った方に

  • なぜ「攻めがるた」がスタンダードとされるのかわかります
  • 「攻めがるた」の考え方を理解できます(理解できれば対策が考えられるようになります)
  • 競技かるたの勝ち方を考える観点の参考になります

なお、本記事でいう「攻めがるた」は、相手陣を取って札を送ることを重視したスタイルとします。
「自陣より相手陣をガンガン取るぜ!」というタイプですね。

注意事項

ここでお伝えする内容は、あくまで個人の見解です。
また、競技かるたのスタイルとして「攻めがるた」を推奨しているわけではありません。

攻めがるたがスタンダードとされる3つの理由

ずばり、「攻めがるた」がスタンダードとされる理由は以下の3つです。

  1. 大会の制度的に有利
  2. 強くなるうえで有利
  3. 試合で勝つための戦法として有利?

まとめると、試合で勝つための戦法として攻めがるたが有利と言える部分もありますが、どちらかというと、競技かるたのゲーム性とは関係ない部分で、攻めがるたが有利と言えるのではないか、と思っています。

それでは、1つずつ解説していきますね。

①大会の制度的に有利

現状の大会制度では、昇級するために「攻めがるた」は有利です。これは断言してもよいかなと思います。

昇級するためには、基本的にトーナメント方式(勝ち抜き方式)の大会で、3位以上になる必要があります。A級になるためには、B級で優勝するか準優勝を2回しなくてはなりません。

全試合が1日で行われるため、昇級には1日に3〜7試合連続で勝つ必要があります。
そのため、体力の温存が不可欠です。

また、対戦相手には、まだ昇級できていない人しかいません。
そのため、昇級する実力がある人にとっては、大半の対戦相手は格下となります。

つまり、昇級で問われているのは、同格の相手に当たるまでにいかに体力を温存できるか、当たった時にいかに勝ち切るかと言えます。

(きつい言い方をすると)格下に楽に勝って体力を温存することが、かなり重要なんですね。

格下と試合すれば当然リードするわけで、相手陣が相対的に増えていきます。自然と「攻めがるた」に有利・得意な配置になり、枚数差が広がってさらに楽になり、どんどん勝ちやすくなっていくわけです。

「守りがるた」(自陣が得意)でもリードして差を広げることはできますが、相手陣を取らないと勝ち切ることができません。相手が守りに入った時にずるずると枚数差を減らされてしまうと、体力を消耗してしまいます。

川瀬部長
川瀬部長

「攻めがるた」は体力の温存に有利と言えるでしょう

強くなるうえで有利

「攻めがるた」が有利というよりは、「守りがるた」の人がなかなか強くなれなくなってしまう罠がある、といった方が正確かもしれません。

競技かるたで最も取るのが難しい場所は、自分から一番遠くにある相手陣下段と言えます。それでも、A級・B級といった上位選手を目指すうえで、取る技術を身につけておく必要のある場所です。

「攻めがるた」は、相手陣をがんばって取りにいくスタイルのため、相手陣下段が取れないと全然勝てません。なので、必死に取る練習をしますし、自然と技術が身についていきます。

一方で、「守りがるた」の場合は自陣を中心に札を取るスタイルであるため、相手陣下段が取れなくとも、それほど気になりません。ある程度までは昇級することもできるでしょう。

ただ、周りが強くなってきて相手陣下段が取れないことに課題を感じ、いざ克服しようとしても、なかなか取れるようになれないことが多いです。

実際、自陣が得意な選手から「練習しているのに、なかなか相手陣が取れるようにならない」という悩みをよく相談されます

川瀬部長
川瀬部長

かるたの悩みランキング上位で間違いないですね

これには、以下の2つの理由があると考えています。

なかなか相手陣が取れるようになれない理由(守りがるた)
  • 構え・取り方などが自陣専用になっているため
  • 守れるはずの札を取られたくない心理が強いため

構え・取り方などが自陣専用になっているため

相手陣が取れない理由の大半は、相手陣を取れる構え、体重の掛け方、取り方になっていないためです。

最初に相手陣も取れるように、構えや体重の掛け方などを教わっていたとしても、長らく自陣中心で練習をしていると、自陣が取りやすいようにチューニングされてしまいます。

ある程度、自分のスタイルを構築した後に、体の動かし方を根本から変えるのはかなり大変です。

最近、僕も構えを大幅に変更しましたが、しっくりくるようになるまでに半年以上かかりました…。

すぐに結果を出したいなかで、長期目線で取り組むのはかなりの覚悟が必要になるので、なかなか相手陣が取れるようにならないのもうなずけます。

川瀬部長
川瀬部長

取り方を後から直すのは気合がいります…

守れるはずの札を取られたくない心理が強いため

これまで守って取っていた札を相手に取られるのは不安ですよね…。その心理が強いと、自陣に意識が引っ張られ、どうしても相手陣に思いきりよく飛び出すことができません。

理論的に考えると、相手陣を取れるようになることで、自陣が多少取られてしまってもトータルで強くなれるはずなのです。でも、頭でわかっていても「取らせたくない」という心理が人間にははたらくんですよね…。

どうやら、人間はメリットよりデメリットを大きく感じやすい(心理バイアスがかかる)みたいですね。

川瀬部長
川瀬部長

心理バイアスを自覚して、真実を見極めましょう

2つの理由は、「攻めがるた」には当てはまらない

ここまで読んだ方で、
「攻めがるたでなかなか自陣が取れない悩みを持つ方も多いのでは?」
「2つの理由は攻めがるたにも当てはまるのでは?」
…と思った方もいるかもしれません。

もちろん、なかなか自陣が取れるようにならない悩みを持つ方も少なくありませんし、2つの理由が「攻めがるた」に全く当てはまらないとは言えません。ただ、「守りがるた」に比べると状況がかなり異なります。

まず、構え・取り方などが相手陣専用になっていたとしても、自陣は近いので届きます。なので、構えや取り方を大きく変えなくても、自陣を取れるようになれます。

川瀬部長
川瀬部長

そもそも、構えは取るのが難しい相手陣下段に合わせるのが基本です

また、攻めたら取れるはずの札を取らせたくない心理も、守りがるたと比べると影響は小さいでしょう。

自陣の札は「送る」「配置を変える」といったことをしなければ、最後までその場所に置いてあります。
一方で、相手陣の札は「取りたい札が送られてくる」「配置を変えられてしまう」といったことがよく起きます。

そのため、「攻めがるた」は「守りがるた」ほど特定の札に執着することが少なくなります。

特定の札に執着できないのは、試合を組み立てるうえでの攻めがるたの弱点ともいえます。
しかし、強くなる過程では、特定の札への執着は障壁になることが多いです。

川瀬部長
川瀬部長

好き嫌いせず、状況によって取る札を変えられると強いですね

小学生以下は例外

なお、体が十分に大きくなる前の小学生は、がんばって攻めても相手陣を速く取るのはどうしても難しいです。

そのため、体が大きくなるまでは自陣の定着を優先し、体が大きくなるのに合わせて、相手陣がしっかり取れる構えや取り方などをしっかり身につけていくとよいでしょう。

体が大きくなると、どうしてもそのタイミングで構えを見直す必要が出てきますので、小さいころの構えや重心の掛け方は、そこまでこだわらなくても大丈夫です。

また、体が大きくなるだけで、これまで以上に相手陣が取れるようになります。そこで相手陣を取れる楽しさと合わせて相手陣を取る練習ができると、自陣相手陣バランスよく取れる強い選手になれるのではないでしょうか。

川瀬部長
川瀬部長

体が大きくなる時に、しっかり見直すことが重要です

試合で勝つための戦法として有利?

最後に、試合で勝つための戦法として、「攻めがるた」が有利といえそうな点について3つまとめます。

なお、「守りがるた」の方が有利と言える側面も多くあると思いますが、ここでは取り上げませんのでご了承ください。

「攻めがるた」が戦法として有利といえる点
  • 札を送れる
  • 自陣は配置で補える
  • 制空圏を取れる

札を送れる

「攻めがるた」の一番の強みは、自分から札を送れる場面を作れることですね。

相手陣を取って自分の陣にある札を送って、自分の取りやすい盤面に整えていくことは、試合を有利に運ぶ上で非常に重要です。

「結局、自陣を取られて送られてしまったら、有利な盤面を作れない」という反論もありますが、送り(駆け引き)が相手より上手であれば、自分に有利に試合を運ぶことができます。

また、お互いに守り合っていて、送りの発生がほとんどないよりは、自分が得意な盤面になるでしょう。(相手にとっても得意な盤面といえますが…)

川瀬部長
川瀬部長

送りはかるたの醍醐味です。楽しみましょう!

自陣は配置で補える

定位置を含めた自陣の配置を自分で決定できるのは非常に大きな特権です。
定位置をうまく利用する、配置を工夫することができれば、それだけで自陣をある程度は取れるようになります

例えば、定位置を、体が勝手に反応するようになるまで定着させることができれば、相手陣にほとんどの意識を割いても、ある程度のスピードで自陣を取ることができるようになります。

川瀬部長
川瀬部長

反面、相手陣は工夫だけで取るのは難しいんですよね…

制空圏を取れる

攻めることで、物理的にも精神的にも、広い範囲を自分が有利に取れるエリアにできる、と一応いえます。

先に手を相手陣に積極的に出していくことで、自分と相手の手の位置関係的に有利に取れる領域を広くできます。

また、自陣に思い切り攻め込まれると、気持ちが引き気味(無意識に腰や構えが引き気味)になって、相手陣まで手が伸びなくなってしまうものです。

ただし、やみくもに手を出して攻めても、ただの無駄な動きになってしまい、結果的に札を取るスピードが遅くなってしまうので注意が必要です。

川瀬部長
川瀬部長

苦しい時も引き気味にならないよう攻めたいですね

まとめ

今回は、なぜ「攻めがるた」がスタンダードとされるのかについて、私なりの解釈を解説しました。

結論、試合で勝つための戦法として「攻めがるた」が有利と言える部分もありますが、どちらかというと、競技かるたのゲーム性とは関係ない部分で、「攻めがるた」が有利といえるのではないでしょうか。

「なぜ」の部分をしっかり解説しましたので、考え方の部分を参考にして自分のかるたに取り入れていけると、競技かるたで勝つための5つの力のうち「④勝ち方を考える力」を高めることができると思います。

反論や「こういう考え方もある」という点がありましたら、ぜひコメントいただけると嬉しいです。さまざまな意見を知れた方が、読者のみなさまも、わたし自身も勉強になりますので。

それでは、次回の記事でまたお会いしましょう!