どうも!Karuta Club部長の川瀬です。
今回は【かるたが強くなる】3STEP!効果的なアドバイス吸収法の最終回、STEP3についてお話しします。
強くなるためのアドバイスをたくさんもらっても、そのアドバイスを取り入れることで「本当にかるたが強くなれるのか」を見極めることができなければ、間違った方向で練習をすることになってしまいます。
結果、せっかくの努力が無駄になってしまいかねません。
どのような「かるたのアドバイス」を取り入れれば強くなれるのか、ぼくなりの判断するプロセスを解説します。
「競技かるたが強くなりたい!」と思った方に
- 取り入れる「かるたのアドバイス」を決めるプロセスを教えます
- 取り入れる「かるたのアドバイス」の優先順位の付け方を習得できます
- 「かるたのアドバイス」の習得にかかる時間の目安がわかります
目次
取り入れる「かるたのアドバイス」を決める5つのプロセス
以下の5つのプロセスを実践すれば、取り入れるべき「かるたのアドバイス」を見極め、かるたが強くなれるでしょう。
順番に解説していきますね。
プロセス① アドバイスはすぐに試す

アドバイスを聞いただけじゃダメなのか…
そうですね、どんなアドバイスも一度は試してみましょう。
試さないと、「アドバイスを取り入れるメリットを1つ以上見つける(プロセス②)」ことは難しいですからね。
試す際のポイントとしては、基本的にアドバイスされたら「すぐに」試すことが重要です。
可能であれば、その場で試すことをオススメします。

「鉄は熱いうちに打て」ですね!
すぐに試した方が良い理由は以下の通りです。
- 時間が経つと忘れてしまう(特に正確なニュアンスを忘れる)
- その場で試せば、試して生じる疑問をアドバイスしてくれた人に確認できる
- 試すアドバイスが溜まらない

確かに、先輩から何を言われたか思い出せないことあるな…

試して初めて出てくる疑問もありますね
そうなんです。
また、アドバイスをたくさんもらっても、同時に試せる量はせいぜい2〜3個が限度でしょうから、すぐに優先順位をつけて試しておかないと、せっかくのアドバイスが聞き流し状態になってしまいます。

聞き流しはもったいない…
もうひとつ付け加えておくと、その場で試した場合は、アドバイスをくれた人からリアルタイムでフィードバックがもらえる可能性があるんですよね。
フィードバックがあると、アドバイスを誤解してしまう懸念が払拭できます。
その場で試せなくても、別の日に確認に行くなど、できるだけフィードバックを受ける工夫をしてみると効果的です。

試しっぱなしじゃなくて、教えてくれた先輩のフィードバックを受けないと!

習慣にしたいね!
プロセス② アドバイスを取り入れるメリットを1つ以上見つける
アドバイスを試したら、必ずそのアドバイスを取り入れるメリットを1つ以上見つけましょう。
例えば、そのアドバイスを取り入れたら出そうな効果などですね。
どんなアドバイスでも、試したら有効と感じる部分が必ずあるはずです。

本当に必ずあるのかな…?
あると言い切ってしまって良いでしょう。
1つも見つけられないのであれば、それは視野がせばまっている可能性がとても高いです。
視点を変えてみると、メリットが見つけやすいでしょう。
例えば、攻めがるたの人は、「守りがるたの人にとってどうか?」などですね。
「かるたのスタイル」やシーンを、いろいろ仮定して考えてみましょう。

なんか難しそう…
そうですね。慣れないうちは難しいかもしれません。
ですが、STEP2の記事で解説した「かるたのアドバイス」を聞くコツを使いこなしていれば、アドバイスを取り入れるメリットを見つけるのは簡単です。
アドバイスをくれた人からメリットを聞いているはずですので!
まだSTEP2の記事を読んでいない方は、ぜひこちらの記事を読んで、「かるたのアドバイス」を聞くコツを身につけましょう!


でも、メリットを聞けているのなら、わざわざ試さなくてもいいんじゃない?
そう思いますよね。それでも一度試すことをオススメしているのには理由があります。
それは、実際にやってみると、聞いていた以上の効果に気づけることがあるからです。
アドバイスをくれた人が効果の一部に気づけていない、メリットを完全には言語化できていない、なんてことはよくあります。
また、アドバイスをくれた人の視野に、自分の視野が加わるので、新たな気づきになることもあります。

先輩も気づいていない効果があるってわけか!

それは一度は試した方が良さそうね!
その意気です!
一度は試して、2つ以上のメリットがないか探してみましょう。
もちろん、最初は聞いていた以上の効果を見つけるのは難しいかもしれません。
しかし、自分の視野を広げていく中で気づけることが増えていきます。
なので、ここはぜひとも頑張っていただきたいところです。
プロセス③ アドバイスを取り入れるデメリットを推測する
プロセス②でアドバイスを取り入れるメリットを探したら、次はデメリットを探しましょう。
注意点としては、必ずメリットを先に確認してください。
理由は、デメリットが念頭にあると、アドバイスを試す気がなくなるからですね。

アドバイスってメリットだけじゃないの?
そうでもないんですよね。
もちろん、デメリットなしで取り入れられるアドバイスもあるかと思います。
しかし、大半のアドバイスは取り入れた際にデメリットがあります。
それは、かるたは「トレードオフ」だから。
つまり、相手陣をしっかり取ろうとすると、自陣が疎かになってしまうなどの、両立できない関係にある要素がたくさんあるからですね。
1枚取れなくなって、新しく2枚取れるようになる。そんなイメージです。

全部の札を完璧には取れないですもんね
なので、アドバイスの内容を完全に習得できた場合に、これまで自身ができていたことがそのままできるか、あるいは、取れていた札を同じように取れるか、見極める必要があるんです。

む、難しそう…

どうすれば見極めらますか?
これに関しては、残念ながら完全な方法論は持ち合わせていないです。
地道に検証していくしかないですからね。
ただ、実際にアドバイスを一度試せば、ある程度の推測はできます。
もし推測できるのであれば、アドバイスの内容と、できなくなりそうなことを両立している強い人がいるか、探してみると良いでしょう。
この段階で完全に見極めるというよりは、ある程度の予測に留めましょう。
アドバイスを取り入れるか決める判断材料にするのが良いと思います。
プロセス④ アドバイスを取り入れるか決める
メリットとデメリットにある程度の当たりをつけたら、アドバイスを取り入れるかどうかを決めましょう。
アドバイスを取り入れるかを判断する際のポイントは、以下の3つです。
- メリットがデメリットを上回るか(トータルで札を取れる枚数が増えそうか)
- 目標とする「かるたのスタイル」と相反しないか
- デメリットを受け入れる覚悟が決められるか
基本的には、3つのポイントを全て満たしたアドバイスのみ取り入れます。
それぞれについて、もう少しお話しします。
これがいちばん大事。
最低条件ですね。
実はこれも大切です。
自分が目標とする「かるたのスタイル」と相反するアドバイスを取り入れた場合、一時的には強くなれたとしても、最終的な目標まで到達できません。
一見、近道に見えるのですが、進むと行き止まりになっています。

長い目で見ると強くなれないってことか…
※目標とする「かるたのスタイル」を変えて、行き止まりを無理やり進む方法もあります。ただし、到達地点を見失うリスクが高いので、目標とする「かるたのスタイル」を変える場合はしっかり考えましょう。
デメリットを受け入れる覚悟を決めていないと、本格的にアドバイスを取り入れるための練習を開始した際に、途中で挫折してしまいます。
プロセス③でも説明しましたが、アドバイスを取り入れたデメリットとして、これまで取れていた札が取れない状態に陥ります。
試合をしていて、「前のままならこの札取れたのに…」と思うシーンが少なくないんですね。
さらに、取り入れたアドバイスは練習中ですので、メリットの効果はすぐに実感できないことが多いでしょう。

覚悟を決めていないと、すぐに元に戻しちゃいそうですね
ですので、基本的には3つのポイントを全て満たしたアドバイスのみ、取り入れましょう。
プロセス⑤ アドバイスを練習する時期を決める
取り入れるアドバイスを決めたら、本格的に練習して習得しましょう!
…といきたいところですが、アドバイスの内容を本格的に練習する、おおよその時期を決める必要があります。

すぐ取り組むんじゃないの?
もちろん、すぐ取り組めるのであれば、その方が良いでしょう。
ただ、実際にはすぐに取り組めないことが多いんですよね。
冒頭でも少し説明しましたが、アドバイスを同時に試せる量はせいぜい2〜3個が限度です。
なので、取り入れると決めたアドバイスが複数ある場合は、アドバイスに優先順位をつけて練習する必要があります。
また、アドバイスの内容を完全に習得するには時間がかかることが多いです。
そのため、1つのアドバイスを練習している間に、取り入れたいアドバイスがたくさん溜まることがよくあります。

でも、優先順位って、どう判断すればいいんだ?
優先順位をつけるポイントは、以下の2つです。
この2つを総合的に考えて実行するアドバイスの優先順位をつけましょう。
そのうえで、本格的にアドバイスを実行するおおよその時期を決めるとよいでしょう。
- メリットがデメリットをどの程度上回るか
- 習得できる時期はいつ頃になりそうか
それぞれの考え方について順番に解説していきますね。
プロセス④「 アドバイスを取り入れるか決める」のポイントとほぼ同じですね。
「札を取れる枚数が、トータルで何枚くらい増えそうか」を判断基準にすると良いかと思います。

1枚でも札を多く取れそうなアドバイスが、優先度が高いのね!
これは、目標としている大会でパフォーマンスを発揮するために、とても重要です。
アドバイスを練習している間は、どうしても一時的に弱くなってしまいます。
なので、自分が最も強い状態で大会に臨むためには、大会までに、ある程度アドバイスを習得し終える必要があります。

大会で弱かったら意味ないですもんね

習得には、どれくらい時間がかかるんですか…?
アドバイスの習得にかかる時間は、個人差もありますし、アドバイスの内容・練習量・プロセス①で試した時の感覚・これまでの経験…などによって変わるので、一概に「これくらいである!」と言うことは難しいです。
ただ、何らかの目安はほしいと思いますので、個人的な感覚を参考までに記載しておきます。
- 送り、札の配置:約1カ月
- 頭の使い方(暗記、意識など):約3カ月
- 体の使い方(構え、払いなど):約半年

送りや配置は比較的短いんですね

は、半年?!体の使い方は結構かかるなあ〜
1〜2枚であれば、変えても少し暗記すれば済む話なので、比較的負荷が少なく習得できるでしょう。
変えたことによって取れなくなる札も、変えた札だけで済むことが多いですし、簡単に練習できる内容と言えます。
試合中の思考時間の一部でアドバイスの内容を考えればよいので、練習はしやすいのです。
しかし、慣れるまではお手つきなどのミスをしやすいですね。
そのため、ある程度時間をかけて練習した方が良いでしょう。
完全に無意識でアドバイスの内容ができるようになりたいですし、場合によっては、練習しながら足りない筋肉をつけていく必要もあります。
そのため、かなり時間がかかるでしょう。

参考にしてみます!
アドバイスを実行するときの3つの注意点
最後に、アドバイスを実行する際に注意したいことを3つお話しします。
1.小手先のテクニックには注意
アドバイスの内容によっては、かるたの基礎能力の成長を妨げるので注意が必要です。
基礎能力というのは、暗記、音の聞き分け、払い…などのこと。
自分ができる範囲を広げるアドバイスは、基礎能力も成長するので全く問題ないです。
一方、相手を弱くする小手先のテクニックは、すぐに成果が出やすい一方で、中長期的には自身が強くなるスピードを遅くする要因になりかねません。

相手を遅くする練習は良くないのか…
小手先のテクニックをいくら練習しても、相対的な基礎能力が不十分だとテクニックが全く通用しません。
なので、まずは自身の基礎能力を高める練習に注力したいですね。
テクニックは、試すと簡単に効果が出るのでついつい使ってしまうのですが、それに頼るのが癖になってしまうんですよね。
大きなデメリットのある悪魔との契約だと思った方がいいでしょう(笑)

悪魔…ぼくは天使と契約します!
2.アドバイスへの意識を1〜2割さいて練習
アドバイスを取り入れて練習する際は、意識の1〜2割くらいをアドバイスの内容に割くと良いかと思います。
その分、試合中に暗記できる量が減ってしまいますが、かなり意識して練習しないと、なかなかできるようになりません。
3.練習しながら優先順位を変える
実際に練習しながら、アドバイスを取り入れるメリット・デメリットの想定を修正して、優先順位を変えていくことも重要です。
デメリットの大きさが想定以上だと気づいたら、途中で練習をやめるのも一つの選択肢です。
まとめ
今回は、【かるたが強くなる】3STEP!効果的なアドバイス吸収法のSTEP3として、取り入れる「かるたのアドバイス」を決めるプロセスについて解説しました。
たくさんのアドバイスの中から、本当に自分が強くなれるアドバイスを抽出して、優先順位をつけて取り組むことができれば、間違った方向に頑張ることもなくなり、努力が無駄になる可能性を減らせるでしょう。
このシリーズ記事によって、みなさんが効果的なアドバイス吸収法を身につけ、スピーディーにかるたが強くなる手助けになればとても嬉しいです。
今後もかるたが強くなるための考え方や方法論を記事にしていきます。
また次回の記事でお会いしましょう!