どうも、名人vsクイーンドリームマッチで記事に書きたいネタが大量に出てきた川瀬です。
対談の中では、新社会人になった井上クイーンに対して、社会人が十分な練習をして実力を高めていくためのコツについてアドバイスを求められるシーンがありました。
その場では、「月の残業時間が数十時間の時点で転職するしかないよね」といった回答や、会社員を週3しかやっていないぼくの現状(アドバンテージ)の話なんかをしました。
今回の記事ではここの部分をがっつり深堀りしていきたいと思います。
いつもは会員限定の有料記事しか書いてないんですが、今回は内容的に全員に知ってもらった方がいいと思うので、すべて無料公開します。
社会人向けの内容だと思っていたら大間違いで、いや、むしろ子どものうちから現実を知って意識しておいた方が絶対にいいと思います。
※というか社会人になってしまうと半分手遅れかも
競技かるたに打ち込むための環境づくり
競技かるたで強くなるって話になると、ついつい僕たちは暗記や反応、送り札のことばかり議論してしまいます。
今の環境、今できる練習量や質が十分なのか考えることはあまりありません。
ただ、本気で取り組むなら、そもそもの競技かるたをやる時間、場所、練習相手をベストな環境に整える必要があります。
実際に結果を出している人達の多くはそこをしっかりやっていたりしますが、その部分が語られることはあまりありません。
この土台とも言える部分がどれだけ整えられているかが、一番最初で最も重要な勝負と言えるでしょう。
そして、この環境作りを阻む最も大きな壁が「お金」です。
逆に言うと、お金さえあれば少なくとも「時間」と「場所」は選べます。
相手はコネクションも必要ですが、それもお金があれば、いろんな大会や練習に顔を出すことでコネクションを作りやすくすることはできます。
夢(名人・クイーン)と金
『夢と金』というビジネス本があります。
キングコングの西野亮廣氏が執筆した、2023年の楽天Kobo ビジネス書年間ランキングで1位にもなっている有名な本なのですが、この冒頭にこんな一文があります。
「夢か?金か?」という議論をキミのまわりの連中は繰り返すだろう。
耳を傾ける必要はない。あんなのは全て寝言だ。
「夢」と「お金」は相反関係にない。僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。
「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。
言われてみればあったり前の話なんですけどね。
なぜか僕たちはお金の話をないがしろにしていることが多いです。
実際には「名人・クイーン」という夢を追うには「お金」が必要。これが真実です。
競技かるたは他の業界に比べれば「お金」は必要ない方だとは思いますが、それでも「お金」が尽きたら夢は尽きます。
社会人になって諦めた人も多いのではないでしょうか?
少し身近な例を考えてみましょう。同じ大学生でも
- 学費までアルバイトで稼がないと学校に通えない人
- かるたの遠征費だけアルバイトで稼げばいい人
- 遠征費を親に援助してもらえる人
さて、競技かるたで結果を出しやすいのは誰でしょうか?
答えは「3.遠征費を親に援助してもらえる人」ですよね。
アルバイトの時間も練習できるのですから。
「1.学費までアルバイトで稼がないと学校に通えない人」だと、出たい大会があっても参加したい合宿があっても、出場も参加もできないかもしれません。
できたとして、かなり無理をすることになります。
こんなことはみんな知っています。(あんまり話題にはしないけど)
現実問題、家庭のお金の差がかるたの結果の出しやすさに顕著に出ます。
社会人はどうでしょうか?
社会人になると親に依存することは無くなりますが、その分いろんなパターンが出てきます。
- 土日に仕事がある(よく入る)人
- 週休2日で残業時間が長い人
- 週休2日で残業がほとんどない人
- 週休2日で残業がなくて、フルリモートの人(通勤時間が0)
- 週休3日以上の人
- ・・・
社会人でもかるたを続けたい人は、大会や練習が土日が多いのでだいたい1は避けます。1を避けるのはわりと常識かもしれません。
ただ、2以降は選べないと思っている人が多い気がします。
特に会社員や公務員しか知らない人たちは、5以降の選択肢があることすら知らない場合も多いのではないでしょうか。
正直、僕もついこの前まで知りませんでした。
お金(生活費と遠征費)を稼ぐ手段はたくさんあるのですが、そこにかかる時間コストには大きく差があるのが現実です。
つまり、いかに時間がかからないお金を稼ぐ手段を選べるか、その選択肢を知っているかが重要になってきます。
さらに踏み込むと、同じ金額を稼いでいたとしても、お金の使い方が上手な人と下手な人では、自由に使えるお金の手残りが変わってきます。
言い換えると、必要な金額が下がればその分、稼ぐために必要な時間コストも下がるので、かるたに使える時間が増やせます。
使い方次第では、時間コストがかからない(小さい)将来の収入源を作ることもできます。
※これを投資という。詳細は後述。
つまり、お金の稼ぎ方・使い方の選択肢を知っている人と知らない人の間には「練習をする/しない」以前の大きな差があるのです。
しかし、残念ながら学校ではお金の稼ぎ方・使い方を教えてくれません。
なので自分で勉強するしかありません。
お金の稼ぎ方・使い方をどう勉強するか?
ぼくはお金の専門家でもなんでもありません。
ただ、運よく恵まれた環境・知識が手に入って、競技かるたに比較的熱中できているだけの人間です。
名人vsクイーンドリームマッチの配信では、今の環境をあたかも自分の力で勝ち取ったかのような言い方をしてしまいました。
しかし、実際にはぼくの場合は運が良かっただけの側面がかなり強いです。
たまたま学生時代は親の支援に恵まれて、
たまたまついた仕事がリモート(テレワーク)でも成り立つ職種で、
たまたまコロナが来てリモートが普及して、
たまたま転職した会社でほとんど残業する必要がなくて、
たまたま事業を営む(自営業)という選択肢の知識が入ってきて、
たまたまその事業が慎ましながらも軌道に乗って、
たまたま会社に週3勤務を許してくれる制度があって、
今があります。
自分で行動して勝ち取ったと言える部分は転職活動と事業の立ち上げのところだけです。
※行動の結果は運に左右されています。
なので、みなさんにとって再現性のあるような話は正直できません。
ただ、何も知識がない方が勉強するための取っ掛かりの知識くらいは共有できると思います。
これから書く話は知っている人なら誰でも知っている話で、調べればどこにでも書いてあるような内容です。
これを取っ掛かりにして、いろいろ調べてみてください。
そして、行動してください。
※行動に繋がらない知識にはなんの価値もありません。
4種類のお金の稼ぎ方(ESBI)
くわしくは専門家のみなさまがまとめているものを調べてもらえればと思いますが、ざっくり4種類のお金の稼ぎ方があることだけ知識として入れておくとよいでしょう。
知っている人には大したことは書いてないので読み飛ばしてください。
- 従業員(Employee)
- 自営業者(Self Employee)
- ビジネスオーナー(Business Owner)
- 投資家(Investor)
1. 従業員(Employee)
「1. 従業員(Employee)」は会社員、公務員、アルバイト、パートなどで、給料をもらうお金の稼ぎ方です。
みなさんご存知というか、ほとんどの方はここに当てはまると思います。
特徴としては、自分の時間を労働として売って対価を得ている(時間をお金に交換)しているので、必然的に時間が無くなります。
もちろん、職種やスキルによって時間単価(時給)は変わるのですが、なかなか単価は上がりませんし、上がっても限界があります。
最近では、週5日の労働に縛られないケースも出てきていますが、働く時間を減らすと給料も下がる(≒生活できない)ので、結局、自由な時間の捻出は難しいことが多いです。
そのため、自由な時間を捻出するためには、いかに2番以降のお金の稼ぎ方にシフトしていくかが重要です。
ただし、お金の稼ぎ方のシフトにはそれ相応の努力と根性が必要なのでそれなりの覚悟をもって挑むことをオススメします。
覚悟が決まらない方は、移動時間(通勤時間や競技かるたの練習場所に行くまでの時間)を極限まで短縮したり、残業時間0にすることを目指しましょう。
具体的には、引越しや転職(活動)です。
フルリモート(すべてテレワーク)だと通勤時間が実質0になるので、リモートできる職種もオススメです。
通勤時間0・残業0にするだけでも、かなり時間にゆとりを感じられると思います。
ちなみに、裏技として仕事中に競技かるたをする(学校の先生をしながら部活の顧問として競技かるたの練習する)って方法もあるみたいですね。
これはこれで、勝ち取るのにかなり運が必要そうですが💦
2. 自営業者(Self Employee)
「2. 自営業者(Self Employee)」は、いわゆるフリーランスと思っておいてもらえればよいと思います。
こちらは、自分の能力・スキルを売って対価を得るお金の稼ぎ方です。
自分の能力・スキルを売るので、ある程度の時間を使うことは避けられないのですが、能力・スキルを高く買ってくれる人がいれば「1. 従業員」よりも時間単価を上げやすいです。
また、ビジネスオーナー(会社)に対して時間を売っているわけではないので、時間の使い方を自由に自分で決めることができます。
競技かるたで言うと、タイトル戦シーズンの冬は働く時間を減らして、夏にたくさん働いて稼いでおくみたいな調整ができます。
ただし、自分の能力・スキルをずっと同じ値段で買い続けてくれるかどうかに保障はありません。
そのため、収入が安定しないという不安やリスクを伴います。
3.ビジネスオーナー(Business Owner)
「3.ビジネスオーナー(Business Owner)」は、ざっくり言うと会社の経営者です。
サービスや物が自動で売れる仕組みを作ってお金を稼ぎます。
優秀な仕組みを作るのは超大変なのですが、一度できあがってしまいさえすれば(メンテナンスは必要なものの)時間を使わなくてもお金が稼げている状態になります。
晴れて時間とお金の交換から卒業です。
「どうやって仕組みを作るんじゃい!」って話はあるんですが、世の中そういうふうにできているんで、できればここを目指したいよねって話です。
ちなみに、先述の通り「2. 自営業者」で売っていた能力を1人に対面で売ってしまうと時間の切り売りになってしまいます。
※例えば個人のかるた教室やピアノ教室を自宅で開くなど。
一方、同じ内容であっても、記事や動画などのコンテンツにしておくと、「コンテンツ」が他の人にも売れるようになります。
※曲の弾き方のポイントやお手つきしない方法のレッスン動画を作るなど。
結局は時間を使い続けないと持続せず、膨大なコンテンツを作る必要があるのでこれを仕組みというにはちょっと弱いです。
ただ、「2. 自営業者」→「3.ビジネスオーナー」へのステップアップとしては緩やかにシフトできるので悪くないかもしれません。
4. 投資家
最後の「4. 投資家」は、その名の通りですね。
主に株などを買ってその配当や売却益で稼ぎます。
最近だとNISAやiDeCoが話題ですね。
ただし、今回の話の文脈ではこのパートは無視してください。
理由は、すでに時間をお金に交換する必要がないくらいお金に余裕がある人にしかとれない選択肢だからです。
配当や売却益だけで生活しようと思うと、軽く1億円以上の資産が必要になります。
※必要な金額によるけど。
配当や売却益と言うと何もしなくても稼げるように聞こえるのですが、買った株の値下がりなど、常にリスクを伴います。
特に無理やり短期間で資産を増やそうとすればするほどリスクが上がるので、大体失敗して資産を失います。
あるいは、詐欺に騙されることになります。
※おいしそうな投資話はすべて詐欺です。
老後資金用にちょっとずつ稼いだお金を積み立てて増やしていくならいいんですが、競技かるたをするための時間を生み出してはくれません。
潔く諦めましょう。
競技かるた用のお金の稼ぎ方の黄金比?
というわけで、基本的には1→2→3→4の順にお金の稼ぎ方はステップアップして、自分の自由な時間を増やしていくことができます。
言われれば確かにそうだよねって話ではあるんですが、なぜか自分の中の選択肢は限られていたんじゃないでしょうか?
サラリーマン家庭(公務員家庭)で育つとこういうことって、なぜか誰も教えてくれないんですよね。
※親がそもそも知らないし学校が教えてくれないから当然なんだけど。
ぼくもそうだったのでよく分かります。
幸い、今のぼくは1,2,3のハイブリッドで生活が成り立っていて、競技かるたをやる時間を作るには十分な環境を手に入れることができました。
ここまでの話だけだと、「2.自営業者」や「3.ビジネスオーナー」を目指しましょうって話になっているので一応つけ加えておくと、「1. 従業員」のいいところもやっぱりあります。
給料という名の安定収入があるのは精神衛生上はとてもよくって、競技かるたはメンタルがパフォーマンスに直結するからこそ捨てがたいんですね。
試合中・練習中に、「明日の生活費が稼げるか分からない」といった不安で仕事のことが頭をよぎってたら意味ないですからね。
そういう意味では、今のぼくの稼ぎ方(会社員を週3で勤めた給料を他の収入源で補う形)は、実は黄金比なのかもしれません。
夢(名人・クイーン)を追い続けるための環境を手にするために今すべきこと
さて、ここからはここまでに書いた現実をふまえて何をすべきかを❶小学生・中学生・高校生の場合、❷大学生の場合、❸社会人の場合、の3つに分けて、ぼくなりに書いてみようと思います。
名人・クイーンでない夢を追っている人にも、単純に時間を生み出したい人にも参考になる内容になるのではないかと思います。
❶小学生・中学生・高校生の場合
恵まれている人は、「競技かるたにとことん専念する」が基本的には最適解だと思っています。
親のお金のサポートが受けられる学生のうちに名人・クイーンになってしまう、または、名人・クイーンになれるだけの実力を身につけてしまうのが、最も夢を叶えられる可能性が高いです。
ただし、小学生、中学生、高校生に関しては環境を自分で選べないところが問題となります。
競技かるたに時間が使えるかどうかは親に依存しますし、競技かるたが強くなるための練習相手がいるかどうか、情報が手に入るかどうかは運次第です。
こればっかりはもうガチャなんですよね。
もちろん、ネットで情報はある程度手に入れたりできるかもしれませんが、スマホが使えるかどうかさえ親に依存しています。
※使えない人はこの記事を読むこともないでしょうが・・・。
今、競技かるたに専念できないのだとしたら、競技かるた部ができるだけ強い学校(中学、高校、大学)に入るために勉強するのも一つの最適解でしょう。
なぜか偏差値が高い学校の方が競技かるたが強い傾向が強いです。
なお、夢(名人・クイーン)を追うためには、できるだけ長くいい環境に身を置かないといけません。
そのため、恵まれている人も、勉強を蔑ろにしすぎて学校が選べないと、将来のいい環境が手に入らなかったりします。
※成績が心配だと「かるたより勉強しなさい」と親に言われるのはよくある話です。
勉強は将来の選択肢を広げる効果が抜群ですので、無駄だと思ってもやっておくに越したことはありません。
ちなみに、高校生くらいになるとお金を稼ごうとするチャレンジを始める選択肢も少ないながらあります。
※たまに高校生で起業する人とかいますよね。
親から金銭的な支援を受けられない人は、この後の「❷大学生」に書く部分に早めに取り組んでおくとよいでしょう。
❷大学生の場合
大学生は、先述のお金の稼ぎ方の話をふまえて、アルバイトとの向き合い方を真剣に考えるとよいでしょう。
アルバイトをしなくても親の支援だけで競技かるたし放題・遠征し放題であれば、競技かるたに専念してしまうこともできるでしょう。
ただし、社会人になったら支援してもらえない場合は、タイムリミットがあります。
仮に名人・クイーンに大学生のうちになれたとしても、その後の維持が辛いです。
アルバイトを選ぶ際は「2. 自営業者」や「3.ビジネスオーナー」に繋げられるようなスキルや人脈が手に入るかどうかで選びましょう。
例えば、飲食店でのアルバイトが「2. 自営業者」に繋がることは稀です。
接客をいくらやっても、高値で買ってもらえるような接客スキルが身につくかというとかなり難しいでしょう。
キッチンも同様で、料理人として生きていけるくらいのスキルを教えてくれるなら別ですが、そんなアルバイトは基本ありません。
その場でお金は稼げるかもしれないけど、その先の展開はないんです。
しかし、例えば「プログラミングのアルバイト募集!未経験OK」みたいなものがあったとします。
※そんなのないと思いますが、例えばです。例えば。
これだと、プログラミングという「2. 自営業者」になる人がたくさんいるようなスキルを身につけながら、お金を稼ぐことができます。
将来的な「2. 自営業者」や「3.ビジネスオーナー」が一歩近づくんですね。
もちろん、世の中のアルバイトにそんな都合のいい募集はほとんどないでしょう。
おそらく、先ほどの例でも「Javascriptのプログラミング言語が書ける人募集!」みたいな感じが現実的だと思います。
であれば、最初は「Javascriptのプログラミング言語」を勉強してから、応募するわけです。
「Javascriptのプログラミング言語」を勉強している間は残念ながら1円も稼げません。
それで生活ができないと困ってしまうのですが、その後はスキルがある分、時給が高いアルバイトにつけるでしょう。
そして、仕事をしながらスキルをアップしていって、「2. 自営業者」に繋げていくわけです。
多くの場合、すぐに稼ごうとすればするほど、ずっと時間をお金と交換することになります。
この例でいう、「Javascriptのプログラミング言語」を勉強の部分は1円も稼げないんですが、数年後に稼いだ金額で比較すると、最初にちょっと勉強していた方が時間単価が良かったりします。
この勉強の部分が自己投資ってやつです。
そして、この勉強の部分にもお金がかかってくる場合もあるから厄介です。
この例だと、パソコンとインターネット回線があれば、ネットで無料でプログラミングの勉強をすることもできるでしょう。
※プログラミングの勉強の仕方はAI(Chat GPT)にでも聞いてください。
ただ、インターネット回線はあったとして(最悪フリーWifiを駆使するとして)、パソコンがない場合は買うしかありません。
数万円はかかるでしょう。
この金額を自己投資に使えないと、「2. 自営業者」に繋がる道は選べないんですね。
自己投資するだけのお金がない場合は、まずは時間と交換するしかありません。
パソコンがないと厳しいような気はしますが、プログラミング以外にも「2. 自営業者」に繋げる道は無数にあります。
自分に合ったものを探してみてください。
実はこの話、「3.ビジネスオーナー」のサービスや物を売る仕組みも同じで、仕組みを作っている間は1円も稼げなかったりします。
そして、仕組みを作るのに多少なりともお金をかける(投資する)必要があります。
仕組みにもよりますが、最低でも数万円くらいはかかってしまうでしょう。
何が言いたいかというと、自由に使える時間とお金を手にするためには、投資のために時間とお金を使えるかどうかが非常に重要です。
そして、その効果が出てくるまでに時間がかかってしまうので、できるだけ早く、余裕がある時に投資する必要があるのです。
つまり、親の支援をある程度は受けられる(可能性が高い)大学生のうちに自己投資に時間とお金を使えるとかなり強いんですね。
学校の勉強で競技かるたのいい環境が手に入れられるのは大学生(大学院生)までなので、大学の勉強そっちのけで稼ぐための自己投資をするのが、競技かるたの夢を追う意味では最適解となります。
※保護者のみなさま、申し訳ございません。
だからこそ、大学生になったら学費も生活費も全部自分で稼がないといけないギリギリの状態になることが分かっている高校生は、高校生のうちに動き出さないと投資にまわす時間とお金がなくなってしまいます。
ちなみに、この辺はもう学校の勉強とはまったく違う世界です。
高卒の「3.ビジネスオーナー」も世の中たくさんいますので、学校の勉強の成績が悪いからといって諦めないでください。
なお、自己投資は仮に「2. 自営業者」や「3.ビジネスオーナー」にうまく繋げられなかったとしても、「1. 従業員」としての時間単価(給料)アップにも繋がりやすいです。
やらない理由はないって感じですね。
❸社会人の場合
基本的な考え方は❷大学生に書いたことと同じです。
違うのは、比較的、大学生には時間があってお金がなかったのに対して、社会人にはお金があって時間がないところでしょうか。
正直、何も考えないで「1. 従業員」になってしまった人には、仕事をして、競技かるたをしながら、自己投資までする時間がありません。
時間を競技かるたの練習時間と自己投資のどちらに使うか選ぶこと、または、仕事を一旦やめるといったリスクを取ることを迫られます。
運よく「2. 自営業者」に繋げられるようなスキルが身につく職種についていればまだ可能性はあるのですが、競技かるた選手にとって大事な社会人になって最初の数年間の時期に独立して自営業者になるのは至難の技でしょう。
また、お金だけの投資で「2. 自営業者」や「3.ビジネスオーナー」に進める道があればよいのですが、そんな話があればおそらく詐欺です。
とりあえず、通勤時間0、残業時間0が最低ラインとして、生活を切り詰めて仕事の日数と給料を減らせる仕事についたりと、うまく工夫するしかありません。
ちなみに、ぼくの場合はちょっと裏技を使いました。
新卒で会社員になった妻が「1. 従業員」をやめて、、夫婦単位で投資できる時間を生み出して「2. 自営業者」を目指したんです。
また、大学生のうちに名人まであと一歩レベルまで競技かるたの実力をつけていたので、そこまで多大な練習時間は必要ではありませんでした。
また、売るスキルを「競技かるた関連のスキル」にしたので、投資時間も多少は競技かるたの実力向上に寄与していたのだと思います。
この厳しい現実のままでいいんですか?
どうでしょう?現実ってやってらんないですよね。
誰にでも平等にチャンスがあるように見えて、よくよく考えるとそんなことはないし、競技かるたの才能があったとしても、お金と時間を生み出す能力も持っていないと才能が開花することは極めてまれでしょう。
ところが、競技かるたでない世界だと、夢とお金が簡単に両立する場合もあったりします。
そうです、プロがある世界です。
野球なら野球さえやっていればお金には困らないし、将棋なら将棋が上手なら食べていける。
もちろん、一定レベルに達するまでの間に、結局は親の支援がないと難しいのかもしれません。
でも、夢まであと一歩のところで、お金の問題で夢から遠ざかることは少なそうです。
幸い、ぼくにはかるたの才能だけでなく、お金の問題をなんとかするだけの才能もあったみたいです。
運も周囲のサポートもかなり豊富でした。
そして、お金の問題がなんとかなってなかった時期があったので、今いる環境がめちゃくちゃ恵まれていること、この恵まれた環境を同じように持っている人が非常に少ないことを知っています。
今の状況って、ぼくが個人的に名人を維持するためだったら、めちゃくちゃ都合がいい状況なんです。
ライバルがいないってほどにはさすがにならないでしょうが、同じような恵まれた環境を整えられている選手は数えるほどしかいないでしょう。
技術が身について、精神的にも成長して、「さあこれからが楽しみだね」という選手の99%は、大学生から社会人になったタイミングで時間とお金の問題でつまずきます。
どうですか?見ていてつまらなくないですか?
正直、お金と時間の問題をなんとかするのはめちゃくちゃ大変です。
2021年9月にスキルを売る活動をスタートしてから、2023年12月に会社員が週3になるまでの約3年間は死ぬほど忙しかったです。
会社員、自己投資、競技かるたの練習とトリプルワークをしていました。
幸い、練習の質は上がっていたみたいなので、強くはなっていました。
でも、正直なんで名人になれたのかよく分からないくらい、練習量はそこまで多くなかったんです。
もちろん、やれる範囲のことはやっていたのだけれど、どう考えても自己投資している時間分は練習時間を削っているって感覚は持っていました。
そして、会社員が週3になって、平日の日中に練習してる時にそれが確信に変わりました。「あー練習足りてなかったんだな」って。
ただ、他の選手のみなさんも、きっと同じように時間がない状況だったでしょうから、この練習時間を削った分はあまり結果には影響がなかったみたいです。
恵まれている他の選手がどんな環境に身を置いているのかは、正直わかりませんし、どう思っているのかは分かりません。
ただ、ぼくは今の環境を強烈に有利なハンデだと感じています。
そして、この記事を読んだとしても、同じような恵まれた環境にたどり着ける人はそうそういないと思いますし、そんなことに心血を注いで欲しくはないとも思います。
だからこそ、他の業界のように競技かるたもプロ化してゲームチェンジしませんか?
これが、ぼくが「2030年までに競技かるたをプロ化する」という目標を掲げている一つの理由です。
みなさんはどう思いますか?
【追伸①】
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【追伸②】
- 川瀬将義に直接感想を届けたい!
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【追伸③】
普段は週2〜4回、Karuta Club Roomの部員(会員)に向けて競技かるたが強くなるための有料記事を書いています。
損はさせないので、ぜひ入部してみてください。